皆様のコミュニティ活動の場としてご利用ください。
当館は、「本棟造り」と呼ばれる信州特有の建築工法であり、江戸時代末期の1857年(安政4年)2月25日大安吉日、信州松本の地に落成致しました。
大嶋家9代目大嶋友七利言により始められた住居新築工事は、友七利言の亡き後は10代目大嶋伍八郎言久に受け継がれ、10年の歳月を経て完成したと伝えられています。
本棟造りの特長のひとつは、なだらかな勾配の切り妻屋根にあります。まさにその外観の造形美は「大鷲が羽を拡げている」かのような雄大さと風格を感じさせます。
1975年(昭和50年)、13代目大嶋太郎南涯が亡くなってからは諸般の事情により、この古民家を空き家のままにして維持管理に努めてまいりました。
2013年(平成25年)、この大嶋家住宅を「信州松本 南涯館」と名付け、市民に親しまれる地域のコミュニティの場として活用を開始しました。
そして、2017年10月、当館主屋(大嶋家住宅主屋)が国登録有形文化財に登録されました。
現在では、各種コンサート、寄席、各種展示会、セミナー等々を開催しております。その他に皆様の趣味サークルの活動及び企業の研修等々にもご利用が可能です。
また、古民家見学をご希望される方は遠慮なくお申し入れ下さい。
本棟造りの主屋を始め、屋敷内の庭園は四季折々の花を咲かせてご来訪者の癒しの場になっています。
先祖代々から受け継がれ、信州の生活文化の薫りが漂う「信州松本 南涯館」へのご来館を心より歓迎申し上げます。
信州特有の本棟造りの当館は、他の本棟造りにくらべ総体的にいくぶん大柄です。
主屋の広さは間口9間奥行き9間で建坪81坪、ほぼ正方形です。
大屋根は檜の割り板の板屋根でしたが、屋根材料が間に合わないため戦後瓦屋根に改修しました。
ところが瓦屋根では勾配があわないため豪雨の時など雨漏りが発生し1994年(平成6年)に銅板葺きに改修し現在に至ります。
切り妻屋根の正面と背面の端には雀踊りを付け、その下方の棟木の端に木製の懸魚を飾り、妻側の縁に沿って山形に破風(はふ)を付けて見栄えをよくしています。
それでも江戸時代の本格派本棟造りとして、風格と歴史的気品を留めています。
主屋を囲っているコウヤマキ、シラカシそしてケヤキの大樹。樹齢200年から300年の大樹は南風の強風から主屋を護る役目を果たす屋敷林です。
特に天空に真っ直ぐに伸びているコウヤマキは、当主・大嶋家のご神木として祀られています。
また、約1500㎡(450坪)の宅地内にある庭園は、サンシュウ、ツツジ、サツキ、ヒギリシマ、ツバキ、ウメ、サクラ、アンズ、カキ、ベニシダレ、モミジ等々、
四季折々に花弁を咲かせ実のなる40種類ほどの樹木が植えられ、来訪者に信州の風情を楽しませてくれます。
信州特有の本棟造りの当館は、他の本棟造りにくらべ総体的にいくぶん大柄です。
主屋の広さは間口9間奥行き9間で建坪81坪、ほぼ正方形です。
大屋根は檜の割り板の板屋根でしたが、屋根材料が間に合わないため戦後瓦屋根に改修しました。
それでも江戸時代の本格派本棟造りとして、風格と歴史的気品を留めています。
南涯館が建築される前の住まいは、大きな内2階建ての茅葺の平屋であり同じ場所にあったとのことです。
その基礎工事は、胴突きの上に平石を無造作に置いているだけです。しかしながら、その地盤の土壌はコンクリートにも優る強度を持っているのです。柱の垂直度はやや傾いてはいるものの、敷居の水平度は全く狂っておりません。
先人の建築技術の高さと知恵には驚くばかりです。
建築材料としては、以前の住居に使用していた古材を再利用しているほか、新たにケヤキ・マツ・ヒノキ・スギ等の大木を使用していて、木曽の山林等から木曽川下流の奈良井川を利用して運搬したものと思われます。
建物内の部屋は、上座敷、下座敷、上おえ、中おえ、下おえ、小座敷、仏間、寝間、居間、庫裏、納屋、馬屋、帳子場等で構成されています。
南側は濡れ縁になっていましたが、盗難や火災予防のため改修しました。
15畳の広間の面影ある中おえを中心にして、上座敷と下座敷等が取り巻くようにして多室型間取りに形成されています。